· 

<連載:新人教育>第4回「問題発見・解決型教育(学習支援と自己教育)」

看護ケアの実践

クリティカルケア看護を必要とする対象は、生命維持に直結するハイリスク患者ばかりです。

また、その特徴も複雑な問題を有しており、一筋縄では解決しないことばかりです。

しかし、臨床場面では看護師には短時間で判断する能力をはじめ様々な能力が要求されます。

 

看護ケアの実践とは

  1. 生命危機状態にある患者の病態変化を予測し、重篤化を回避するための援助
  2. 生命危機状態の患者に対し、生活者としての視点から適切なアセスメントを行い、回復を支援するための援助
  3. 生命危機状態の患者およびその家族に対し、より良いチーム医療が提供できるための援助です。

主たる仕事

急性機能障害に陥った重症患者をケアする看護は、刻々と変わる患者の全身状態の把握と評価を行い(細胞レベルのアセスメント)、全身の酸素化と循環の「維持」が最優先であることは言うまでもありません。また、循環と酸素化の「促進」と免疫を中心とした炎症反応を上手に「調節」し、感染防御能を高めての感染を防ぐことも不可欠です。

 

勿論、どの過程にあっても非日常性から身体的苦痛の軽減、コミュニケーションの保証、プライバシーの確保、生活のリズム、社会性の維持などの日常性を担保することが必要です。

 

そして、急性期の過程の中で、ややもすると優先順位が低く、あるいは後回しになってしまうのが、二次障害の合併を回避しつつ、早期に患者を自立へと導く「意図的な援助」です。生命を維持するために生体の代償機転が最大限に機能している患者は、いとも簡単に全身状態の悪化を招き、回復までの道のりが大幅に遠のいてしまうリスクを背負っています。

 

したがって、クリティカルケア分野に従事する看護師の主たる仕事は、危機的状況にある患者の家族への援助も含めつつ、過大侵襲下にある患者の基本的アセスメント、臨床推論を前提に、障害の程度を最小限に止めながら、早期に回復させるための援助だといえます。

思考と志向

これらの特性を踏まえた場合の看護実践は、問題発見・解決型教育が必要です。それには、可能ならばそれなりのエビデンスを結びつけながら、看護実践を展開する思考と志向を備えるすべを獲得してゆければと思います。

 

思考と志向の例

  1. 事象に基づく古典的解釈による判断をなくす
  2. 直感と経験からの学びを吟味する行動へ
  3. 問題と方法を抽出する推論力暗記的知識(手続的知識)より文脈的知識(なぜそうなのかを考える)へ重心を置く)
  4. 患者の臨床像から看護問題・方法を導く過程の思考へ
  5. 種々のデータの結果の予測的価値に関するエビデンス情報の収集などが上げられます

インテリジェンスを創造する方向へ

このような思考と志向は、日頃からの学習支援と学び方(自己教育の方法)に左右、影響を受けがちです。

つまり、ピースを埋めていく"ジグソーパズル型教育と学習"(答えのあるものを速くつくる、いわゆる情報処理能力)から、徐々に"レゴ型教育と学習"(答えのない中で創造する、いわゆる情報編集能力)へと、インテリジェンスを創造する方向へと変化、成長することの方が良い気がします。

 

第5回に続く...

記:YM