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<連載:新人教育>第2回「教育とゴール」

教育ってなんだろう?

教育とは、学習の支援=自己教育者の育成にあります。

教育は、何れの場合でも理想的には自己教育者を育てることにあります。一般的に新人看護師には 自己教育が育まれるまでの未熟な期間に自己教育活動を行うに堪えうる能力を獲得するための「指導」「援助」として「他教育」が必要となります。

 

つまり、教育という営みは自己教育が必要な対象がそのまま放っておいたのでは、一人前に独立して自己教育を営むことができにくい要素を孕んでいる場合に、自立して自己教育ができるような必要な援助をすることです。

 

また、その大前提には学習者自身が医療サービスを提供する組織のひとりとしての仕事上の義務と責任に基づく役割を理解して、自己教育活動をすることが必要です。

ゴールは何か?

"おとなとは何か"という難しい定義は別として、新人看護師は様々な意味において未熟であろうが成就していようが、いわゆるおとな(成人)です。また、その学習(学び)を支援する教育指導者も様々な点で不足していようが充足していようがおとなです。

 

したがって、教育指導-学習という営みは「おとな」と「おとな」の関係によってもたらされる活動です。そして、それはビジネスの関係にある者同士の営みです。その活動、営みのゴールは概ね新人看護師が教育指導者による学習の支援が不要となって自己教育活動が可能となることにあります。

 

さらにもう一つは、この延長上には両者が専門職人として、組織人として、社会人として成長してゆくことが期待されます。したがって、教育指導の対象主体は、教育する者も学び成長するので、教育指導者も含まれます。しかし、新人看護師教育の場合の対象主体は、概して言うならばあくまで「学習する新人看護師」なのでしょう。

 

教育指導は学習を行う環境内での学習支援の営みをする活動であり、その枠組み内に学習者と教育者指導者が位置づけられます。この活動の過程に教育指導と学習が存在し、2つが相互に密接に影響を受けながらスタイルや行動を変容させてゴールを目指すことになります。

 

教育指導と学習のプロセスには、役割、活動、技術、方法、教材、振り返り、意識変容、行動変容、自己評価、成長、フィードバック、計画、やりとり、調整など幾多のコンテンツが存在しています。これらは各々の立場で内容が異なっていますが、その内容はアウトカムに合わせて折り合い含めた整合調整が必要となります。この営みの結果、双方の知識、価値観、態度、発達、前提、信念などが徐々に変容し、加えて学習者には自己教育者としての自律性(autonomy)、自己決定性、学習スタイルが備わることが必要です。

 

これは、余談かも知れませんが、教育指導-学習活動の営みにおいて影響を受けにくいものがあることも知っておいた方が良いかも知れません。それは、パーソナリティのタイプ、文化、哲学、価値観、経験、ライフステージ、人生の局面などです。但し、価値観や哲学は経験によって変化することも勿論あります。

 

このように、学習とは経験によってもたらされる思考や価値観または態度におけるすべての持続的な変化であって、それにつながるための支援活動が教育指導だと言えます。

 

第3回に続く...

記:YM